ミライ総選挙

ミライ総選挙

2014年10月10日

「自分が・地元を・自慢できる町に」するために、やりたいことをカタチにしたい人がいる。

自分では何ができるかわからないけど、応援したい人がいる。

両極端に見えて“想い”では繋がっている両者が出会い、語り、仲間となる場。

それがミライ総選挙。

ねらいと仕組み

世の中がアイドルの総選挙に沸き返っていた頃、コレカラ99はその独自の総選挙、ミライ総選挙の準備を粛々と行っていました。選挙というと、一般的には投票権を持つ有権者が投票を行い、立候補者の中で一番を決める仕組みです。これはアイドルの総選挙でも同じで、CDなどを購入することで投票権を得たファンが自分のお気に入りのアイドルに投票し、アイドル達は投票数に基づいて順位が決定されます。そこからすると、ミライ総選挙は似ているようで、実は少し違います。

ミライ総選挙では、コレカラ99のメンバーが有権者にあたります。それに対して、立候補者は九十九里で何かを実現したい!そのためにメンバーのサポートが欲しい!と申し出た人たちです。投票者であるメンバーは、立候補者の演説を聴き、この人のプロジェクトを応援したい、と共感したものがあれあれば、その立候補者に対してお金、あるいは自分のできるあらゆるやり方で応援を申し出る=投票することができるのです。通常の選挙では、首位を獲得した人が代表に選ばれたり、上位何名かの立候補者が特別なグループに選ばれたりして、下位の立候補者は特に何も得ることができません。しかし、ミライ総選挙では、全ての立候補者が、量の多少はあれど、自分に投票された分のお金やサポートをそのまま受けとることができます。ここが一般の総選挙と最も違う点で、ミライ総選挙で重要なのは順位ではなく、各立候補者が自分を支援してくれるメンバーと出会い、その支援を受けることなのです。

ミライ総選挙

ここ数年で日本でも急速に普及してきたクラウドファンディングという、インターネット上で資金を集める仕組みがありますが、コレカラ99のミライ総選挙は、どちらかと言えばこのファンディングと同じ主旨のものであるとも言えます。インターネット上ではなく、直接演説を聞いてもらっての投票なので、クラウドファンディングというよりは、ローカルファンディングであると言えるかもしれません。コレカラ99の目指した仕組みは、地元で「何かを実現したい」と声をあげた人を、地元の人が直接応援する、そんな仕組みなのです。

ミライ総選挙

メンバーが投票する方法として、二通りの投票券を作りました。ひとつはお金を投じるための投票券です。コレカラ99のメンバーにとって、このミライ総選挙は権利でもあり、義務でもあるので、一口千円で、最低千円以上を投票してもらえるようにお願いしました。メンバーは受付で、「◯○候補者に◯千円分投票します」と申し出て、投票券を購入します。もうひとつの投票方法というのが、「できることカード」と名付けられたカードです。これは、お金以外のあなたのできるあらゆることで、支援を申し出るためのカードです。たとえば、「一日イベントのボランティアをします」、「ウェブサイトの制作お手伝いできます」、「うちに余っているペットボトルのお水を寄付します」、「企画を練るお手伝いします」などなど。もちろん、立候補者の求める支援と全く相容れないものでは仕方がありませんが、マンパワーやプロフェッショナルなスキルなど、お金以外にも立候補者の必要としているものはたくさんある、それがこのミライ総選挙を通して見えてきたことでもありました。そして、お金も必要だけれど、それが全てではない。「できることカード」は、物物交換が今でも当たり前のようになされている九十九里のような田舎だからこそ、すんなりと受け入れられる仕組みなのかもしれません。

立候補者一覧

九十九里浜フィルムコミッション
関健作(横芝光町)

フィルムコミッション九十九里浜をスタートさせます。ミライ総選挙では、プロジェクトチームに参画してくださるプロジェクトメンバーを募集します。フィルムコミッションとは、ドラマや映画・CM・雑誌等のロケーション撮影に関する相談や手配をワンストップで提供するサービスです。2013年度中にウェブサイトを立ち上げ、ロケーションやエキストラ登録を開始し、2014年4月よりサービスを開始します。フィルムコミッション九十九里浜によるロケーション誘致により、新たな観光スポットの創造、観光入込の拡大など新たな観光産業の創造に寄与します。

海育で自慢できる町へ
返町昇平・久美子(九十九里町)

概要:地元の子どもたちに、九十九里の海を好きになってもらうために、親子向けのビーチクリーンを定期的に開催します。清掃後、親子で楽しめるイベントも行います。その子どもたちが将来、九十九里の素晴らしさを全国に発信できるように!素晴らしい九十九里の海を守る為に環境を考える大人になるように!そのビーチクリーンのイベントを開催するにあたって資金がやはり必要になってきます。そこで九十九里町でフラダンスのイベントを行い、その収益の一部をビーチクリーンの資金にしたいと考え、すでに動き始めています。

BAKAクション99
THE CHEEP(匝瑳市)

概要:ミライ総選挙のプロモーション動画の制作を担当した九十九里クリエイティブ集団「THE CHEEP」が、プロモーション動画の続編として、九十九里地域各所の名所や迷所それぞれでおバカなアクションを起こし、それをショートムービーとして制作します。同時にムービーを閲覧出来るプロジェクト用WEBも制作し、観光プロモーションWEBとして機能させることも考えています。

AKIYA99
太田直美(九十九里町)

以前、九十九里エリア内の不動産会社に勤めていたとき、駅前や開発地区では、都心で暮らす人たちが多く移住してきて、新しい家が建ち、活気が出てきた一方で、交通の便が悪い海沿いや田園地帯では、まだ住める空き家が増えていくのを目の当たりにしました。九十九里の自慢のひとつは豊かな自然と都心の程よい距離、理想のライフスタイルが実現しやすい環境にあります。そこで、わたしは、数ある空き家の立地条件と環境とニーズに合わせた空き家の再生をプロデュースしたいと思っています。コンセプト型シェアハウスとして空き家を再生することにより、そのことが九十九里エリアの皆さんにとってのひとつの時間になれたら幸いです。

産みたい、住みたい、九十九里へ
若菜ひろみ(睦沢町)

現在の日本の母子保健制度は、妊婦へのケアは充実していますが、出産後の母体へのケアはまったくされていない状態です。赤ちゃんへのケアはあっても、産後の女性の健康をケアする制度はない…このことによって、不調を抱えながら子育てをしている女性は多いです。母となった女性の健康は、家族のためにも、子どものためにも必要です。その意識が九十九里地域に定着し、全ての産後女性に産後ケアプログラムを受講していただけるようになれば、九十九里地域は「生みたい!住みたい!まち」になります!九十九里地域に産後ケアを周知させて、地域をさらに元気にしたいです。

2013年11月10日の日曜日、第1回ミライ総選挙が開催されました。開催にあたり、立候補者の居住する市町村を中心に、ご後援のお願いをさせていただき、結果、横芝光町、匝瑳市、山武市、九十九里町、睦沢町、そして横芝光町商工会(順不同)からご後援をいただきました。

5組の立候補者は、直前で体調を崩されてしまった若菜ひろみさんを除き、4組が会場で各自プロジェクトについてのプレゼンテーションを行ない、若菜さんについては事務局でお預かりしたご本人の音声ファイルと資料をもとに、事務局が代理でプレゼンテーションを行ないました。会場へは50名以上の方がお集りいただき、期日前投票をしてくださった方を含めると、全68名の方が参加、投票数はのべ51票でした。※お金を支払って投票できるのはコレカラ99メンバーのみ。また、メンバーは複数の立候補者に投票することも可能。例:A候補に2千円分、B候補に3千円分、など。

ミライ総選挙

一方、お金ではなく、「自分のできること」を提供する「できることカード」はメンバーであるかに関わらず全員が投票可能であり、のべ94枚が集まりました。

ミライ総選挙

結果と所感

全員の投票が終わると、すぐに集計・開票準備に入りました。その間、立候補者と投票者が自由に会話をする時間を設けました。先ほどの演説の熱気が冷めやらぬうちに支援者と話すことで、次の動きへの勢いがでてくるかもしれません。そんなことを期待しながら、集計を進めました。

選挙による獲得金額を全員の前で公表することは正しいのか―そんな議論もありました。確かに、公表をしてもしなくても獲得金額に変わりはありません。ただ、お金を自分に投じていただくというのは有り難いことである反面、大きな責任が発生することでもあります。そのお金は自分とプロジェクトの未来に対する期待の表れであり、立候補者には今後プロジェクトの成功に向けて邁進していくのは勿論のこと、それをきちんと支援者に報告していく義務があるのだということは選挙の前から話をしていました。重荷のように感じる部分もあるかもしれませんが、そうした期待が良い意味でのプレッシャーになり、立候補者の背中を押していくことに繋がります。また、お金は確かにあって困るものではありませんが、5組の立候補者は全員が全員、お金を何より必要としているわけではありませんでした。お金よりも一緒に企画を手伝ってくれる人がいたら、といったそれぞれの立候補者が「今必要としていること」もプレゼンテーションの中ではっきりと伝えています。その内容もやはり獲得金額には反映されていたように思います。そういう意味でいうと、獲得金額は必ずしもプロジェクトの人気を反映するものでもなく、金額の大小で気を落とすようなこともないのです。そうした点を踏まえて、当日のうちに獲得金額を全員の前で公表しました。

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ミライ総選挙

第一回ミライ総選挙という初の試みを終えて、見えてきたものがいくつもありました。選挙当日までの準備段階は特に難しい期間でした。立候補者の中にも、人前で話し慣れている人もいれば、プレゼンテーション資料を作ったことがない人もおり、またどのようにして自分の考えを整理していけばいいのか途方に暮れてしまうということもありました。自分の本業の仕事を抱えながら準備をする中で、コレカラ99が設定したミライ総選挙というひとつのメソッドに対して、「どうしてもそのやり方をしなくてはならないのか?」という疑問も当然のように湧いたと思います。そういった疑問に応えながらも、人に(そして自分にも)伝わるように考えを整理し、言葉にするためのサポートを行うことに徹しました。

当日会場で投票をしてくださった方には感謝の気持ちでいっぱいですが、とは言え、額にしてみれば大きな額ではありません。そのお金と引き換えに支援者に対しての責任を負うということに、そこまでの価値があるのだろうかと思われる方もいるかもしれません。ミライ総選挙の試みは、そういった意味ではやっと体を成したという程度で、実質的な成果に繋がるものではなかったかもしれません。それでも、立候補者がプロジェクトの本質をブラッシュアップしていく機会になり、また少しでもそういうチャレンジャーが存在することに刺激を受けた住民がいて、そのエネルギーが伝播していくためのきっかけになったのではないでしょうか。

2014年8月現在、5つのプロジェクトの中にはじっくりと歩み続けているもの、形を変えているもの、ストップしてしまったもの、様々あります。どんな形であれ、どれだけ時間がかかるとしても、それらの実現に懸ける皆の想いが、この九十九里エリアを自慢できる町にしていくと確信しています。

by nagisa

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