ETHICAL_4

エシカルコミュニティの構築

2014年9月26日

「エシカル」という言葉をご存知でしょうか。 “Ethical”と綴られるその言葉は直訳すると倫理的・道徳的といった意味を持ちます。その言葉が注目を集めるようになったのは1997年に、イギリスの当時の首相、トニー・ブレア氏が行った国際外交に関するスピーチであったと言われます。

<当時、アフリカの植民地政策を推し進めるにあたり、これからは、「犠牲の上に豊かさが成り立ってはいけない」「国と国の単位から、個人と個人の関係で考えるべき」と訴えた。その考え方から、「エシカル外交」と呼ばれ、エシカルが世の中に広がるきっかけとなったのだ。> ※1

エシカルという言葉はその意味を少し広げ、「環境や社会に配慮した」という意味を伴って使われていますが、日本ではまだ明確な定義はないと言います。特にエシカルが根付き始めているのはファッションの世界で、雑誌 Marie Claireは日本で初めてエシカルという概念に関する特集を組んだことでも有名です。例えば一枚の服について、素材調達、製造プロセス、流通プロセスなど一連の過程において環境や社会に配慮した商品を作ることを重んじます。

コレカラ99がコレカラ99となる前の2011年秋、九十九里で何をやって行ったら良いのか議論を交わし合っていた発起人たちの中で、ロンドンで成功を収めているというひとつのスーパーのことが話題になりました。3人の社会起業家が設立した”People’s Supermarket”と呼ばれるそのお店は、COOPのような協同組合の形式をとります。会員は、お店のレジやキッチンなど様々な場所で労働をします。その対価として、何割引きというお得な価格で商品を買うことができます。こうした方式をとることにより、生活の苦しい人たちでも食品を手にできる仕組みを確立しました。さらに、近郊の農家の野菜や果物を取り扱い、フードマイレージにも配慮する傍ら、賞味期限の近い生鮮食品はお店のキッチンで総菜へと加工して販売。生ゴミはまた近郊農家でコンポストにするためにお返しする、という美しい循環を機能させました。そして何より、会員が定期的に総会を開き、お店で取り扱う商品について、自分たちが食べたいもの、売りたいもの、食べさせたいものを考え、選び、決定するのです。お店に並ぶのは、強い力を持った巨大メーカーの商品ではなく、明らかにロンドンでは育たない果実でもなく、会員が自分たちの哲学を持って選び抜いた商品です。

このスーパーの取り組みは、コレカラ99の発起人たちに深い示唆を与えてくれました。私たちがこの九十九里で目指すものはこういったコミュニティではないか、と。ひとりひとりが九十九里の未来を描き、その青写真を共有しながら変革を起こして行く、その土壌となるようなコミュニティです。そうしたコミュニティの構築を目指して、エシカルコミュニティと呼ぶことにしました。
コレカラ99の設立からの3年間を支えていただいた三井物産環境基金への応募用紙には活動名をこのように書いています。

エシカルコミュニティによる 持続可能な地域社会の構築

さらにそこに人を集め、コミュニティを発展させていくための仕掛けとしてミライカフェの開催を事業のひとつに掲げました。(当時は名称が決まっていなかったため、ワールドカフェと呼んでいました。)このコミュニティが肥沃な土壌となり、そこから地域を活性化させるいくつものプロジェクトが芽吹いてくれるに違いない。ただし、自然発生的なプロジェクトの発芽をただ待つのではなく、自分たち自身もモデルとなる事業を仕掛けよう。そのような思いであと2つの事業、九十九里浜環境再生プロジェクトと都市と農村パートナーシップ協定プロジェクトが始まりました。それから3年、当初の目的を達成できたもの、発展途上で止まってしまっているもの、残念ながら見切りをつけたものなど、様々です。コレカラ99のエシカルコミュニティとしての挑戦はまだまだコレカラ、です。

※1出典: alterna×S 『エシカルはどこから来て、どこへ向かうのか』, 2013年8月

by nagisa

<関連記事>
設立の背景
メンバー制度

LINEで送る